Sweet Lemon

2020年秋アニメ1話かなり観たので“for me”な感想書くよ

はじめに

 コロナ禍が猛威を振るう昨今において、相次いだ放送延期により全体の作品数が少なかった2020年7月クール。対して今期は制作の再開した作品が一斉に放送を開始し、前期比1.5倍ほどの作品数に。とりわけ印象的なのがシリーズ物の続編、新シリーズの数で、だいたい全体の⅓くらいがこれに相当する。最近のトレンドである「10~20年ぶりのリバイバル作品」までカウントすると割合は更に増えるので、正直「新作」の定義って難しいなって思う。
 もちろん完全新作も続編も感想を書いているけれど、私みたいにあまりアニメを見てこなかった人間が「ちょっと過去作見返してみようかな」などと軽い気持ちで旧作に手を伸ばした結果、思いっきり沼にハマって新作どころじゃなくなってきてるよ、という近況です。
 「今期なんも観るものないなー」と思っている人は、今期放送される新シリーズの予習から始めるのが良いかもしれない。そこら中に沼が潜んでいて、増水してる岡山市みたいになっているので、少なくとも大晦日までは楽しいアニメライフを満喫できるのではないだろうか。ちなみにオススメはNetflix

配信情報まとめ

 私はTVでアニメを観ない(BS見れないし、TOKYOMXもAT-Xも受信できない)ので、配信情報はこれ以外の手段について書いている。
 なお、独占配信系タイトルは放送開始時点でのものであり、後に他の配信サイトでも配信が開始される場合がある。あくまで現時点での契約の参考になれば。

独占タイトル一覧

アマプラ独占配信

アサルトリリィ

ネトフリ独占配信

ドラゴンズドグマ

FOD独占配信

アクダマドライブ、ゴールデンカムイ

感想

安達としまむら

 いい最終回だった。百合は百合でもガチの百合。
 入間人間によるライトノベルが原作。同氏の小説がアニメ化されるのは『電波女と青春男』以来かな、と思ったけのだれど、実は2018年に放送された中谷鳰原作の作品『やがて君になる』の中でスピンオフ小説『やがて君になる 佐伯沙弥香について』(著・入間人間)の一遍がアニメ化されており、本作はそれ以来のアニメ化ということになる。やが君はいいぞ。
 制作は手塚プロダクション。監督・桑原 智、シリーズ構成・大知慶一郎のタッグは同スタジオの作品『五等分の花嫁』以来で、他にも美術監督の斉藤雅巳や色彩設計の油谷ゆみ、音楽の田渕夏海、中村巴奈重、櫻井美希等、本作はほぼ五等分を制作したスタッフが結集している。
 余談だけど、2期が決まった当の五等分の花嫁はスタッフを刷新している。2期を早い段階で決定したプロデューサーは「早いうちに決めたほうがスタッフ続投しやすいから」みたいなことをインタビューで語ってたので、なんか色々あったのかな。
 ストーリーとしては、女子高生の安達としまむらの日常を描く作品。入間人間の小説って、感情を淡々と描いていくような文章っていう印象が強くて、本作はモノローグ(これは安達視点、しまむら視点それぞれ描かれている)がやはり淡々とした演技で綴られていて、小説読んでる気分になってくる。でも安達としまむらは決してダウナー系とかではなく、ちゃんと喜怒哀楽があるので、「平静を装ってはいるが、実は内心ウッキウキな二人」みたいなギャップが垣間見えるシーンが特に印象的に描かれている。チャリをニケツしてるシーンが超好き。
 あと1話で描かれている「最初は二人だけの秘密だったものを、しまむらの仲間との場所にしてしまったことで、安達が爪弾きにされてしまう」みたいなエピソードでは、安達、しまむらそれぞれの感情の機微があまりに丁寧で、「好きと嫌い」ではなく「好きと無関心」の間で揺れ動く主人公の姿を見ていると、本作は「百合作品」というよりも「青春群像劇として非常に魅力的な作品」だなって思った。
 個人的に「つまり、そういうことなのだろう」っていうセリフがめっちゃ良くて、「感情の機微を淡々と言葉にしておきながら、特に重要な感情は『つまりそういうこと』という指示語(非言語的な何か)で表現するバランス感」が表現として最高に好き。
 あと劇伴も。ピアノ中心の静かな音楽は『やがて君になる』を思い出す。特に本作は「絵的な盛り上がりポイント」と「内心的な盛り上がりポイント」必ずしも一致しない作品なので、「冒頭で卓球してる二人」と「途中で卓球してる二人」の心境の変化を描いているのがこの音楽なんだよね。好き。

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©2019 入間人間/KADOKAWA/安達としまむら製作委員会

 EDは鬼頭明里。今期何作品やってるんだ。めっちゃ滑舌良いのでハイテンポな歌がすごく魅力的に聞こえるし、地声とファルセットのミックスがすごく魅力的。特にEDラストらへんは地声とファルセットめちゃ切り替えまくっててヤバい。
 そんな鬼頭明里のファーストアルバム「STYLE」が好評発売中!やったね!
youtu.be
blog.livedoor.jp

呪術廻戦

 闇のモブサイコ。
 『週刊少年ジャンプ』で連載中の、芥見下々による日本の漫画が原作。
 制作はMAPPA。監督はMAPPAのアクション作品『< GARO > -VANISHING LINE-』『THE GOD OF HIGH SCHOOL』で監督を務めた朴性厚。副監督は『GRANBLUE FANTASY The Animation Season 2』で監督を務めた梅本唯。シリーズ構成は『BANANA FISH』『ドロヘドロ』等でMAPPA作品のシリーズ構成を務めた瀬古浩司。キャラデザ、総作監を務めている平松禎史(超すごい人)は、朴性厚監督がチーフアニメーターとして参加した作品『ユーリ!!! on ICE』でもキャラデザ・総作監を務めており、かなり・・・というかめちゃくちゃアクション作画に強いチームで構成されている。
 数あるジャンプ作品の中では、初期のダークヒーロー感という点で『BLEACH』に近いテイストを持つ作品。それを意識してるかどうか知らないけど、OP冒頭で電車の椅子に座っている主人公の姿勢がなんかアニメ版BLEACHっぽい。
 ストーリーとしては、ひょんなことから怪異に命を奪われそうになった主人公が、なんやかんやあって怪異から人を守る役目に着くダークヒーロー系作品。
 フレーバーとして「死」をテーマにした作品。「正しい死」と「正しくない死」という死生観を持つ主人公ならではの行動原理がおもしろいし、「登場した人物を火葬した後に骨を拾うシーン」があるっていうだけでも相当尖った作品だと思う。そういえば昔母親の骨拾ったなー。
 主人公を演じるのは榎木淳弥。同氏は今期『トニカクカワイイ』でトニカクカワイイ夫を演じている。飄々とした中に熱さと冷静さを持つ主人公の演技めっちゃいい。
 バトルアクションということで、1話から凄まじい。本作の特徴的として「呪術で戦う」という要素があるけど、ざっくり言えばMAPPA作品、ドロヘドロの魔法に近い。すんごい熱量の作画で描かれる呪術も「ジャンプ作品の花形」って感じがあるし、加えてTHE GOD OF HIGH SCHOOL並にキレッキレな体術格闘、さらに3DCG作品でよく使われる「キャラを追うように動くカメラの画角」をほぼ作画アニメーションでやる、という狂気じみた作品に仕上がっており、1話の「階段を駆け上がる伏黒がドアを開けてすぐ会敵、即座に式神を展開するシーケンス」とかあまりにもかっこよすぎて感動した。もちろん3DCGアニメーションも使われているんだけど、高度に融合されすぎててよくわかんなかった。
 それにしてもBGMが超好き。熱いバトルモノではあるけど、全体的にクールな作風なので、BGMがそれに合わせて渋く、そして妖しい曲が多い。加えて音楽が非常に多彩で、1話と2話だけ見ても全然テイストの違う曲が続く。でも全体の緩急を「BGMのないシーン」でつけるのがすごくうまくて、全体の雰囲気が2話時点で完成されているまである。
 劇伴を担当した堤博明、照井順政、桶狭間ありさについて、担当した経緯とか、どういう分業をしているのか等を語っているインタビュー記事が面白かったので、興味のある人は読んでみてね。
animageplus.jp
 あとOPED共にアニメーションが超すごい。ユーリ!!! on ICEのOP並にヌルヌル動く。ロトスコープなのかな。OPの暗さ、EDの明るさが非常に対照的でかっこいい。
 OP 絵コンテ・山下清悟。WEB配信アニメ『薄明の翼』の監督。
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 ED 絵コンテ・長添雅嗣。MAPPA作品『牙狼-GARO-炎の刻印』でOPを担当した人
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アクダマドライブ

FOD独占配信

 大阪のエクスペンダブルズ。
 『ダンガンロンパ』のストーリー原案でおなじみ小高和剛によるオリジナル作品で、制作はスタジオぴえろ。バトル系少年漫画の印象が強いけど、本作はちょっぴり大人向け。監督は『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』『ダンガンロンパ』の田口智久。シリーズ構成もダンロンの海法紀光なので、実質ダンガンロンパ
 内容は、犯罪者のはびこるサイバーパンクな関西を舞台にしたスタイリッシュ犯罪アクション。ペルソナはまだ義賊っぽかったけど、本作は普通に犯罪者。めっちゃ癖の強いキャラたちの呉越同舟というお話で、プロデューサー曰く「推定懲役=ワンピの賞金額」らしい。そういうわかりやすさを重視したキャラ付けは少年漫画っぽさがある。個人的に2話から登場する「処刑科」のキャラが強すぎてやばい。依頼者からのお題を達成していくうち、最終的にあいつら世界を滅ぼしそう。特に「世界観どうなってんの?」の掘り下げが楽しみな作品。
 唯一の一般ピープル・主人公を演じるのは黒沢ともよ。巻き込まれ系主人公を演じる声優さんの中では一番好きかも。
 喧嘩屋のおっさんを演じるのは武内駿輔。ドスの利いたおっさん声を出してはいるが、彼、まだ23歳なんだって。マジで?
 そしてなにより戦闘シーンがめっちゃすごい。単純な殴り合いもすごいし、「とにかく派手な戦闘シーンを描きたい」という欲を爆発させたような戦闘が続く。運び屋のバイクとかその極致だよね。『アサルトリリィ』『戦翼のシグルドリーヴァ』といい、3DCGと作画アニメーションの融合具合がどんどん進化しているなぁ、と驚かされる事がここ1,2年はすごく多い気がする。あと演出もすごく良くて、キャラ紹介のペルソナ感もそうだし、シーンチェンジのときとか、わざわざ背景をアニメーションさせてるのすごい。
 そして背景がめっちゃすごい。サイバーパンクをテーマにした世界観はproduction IGの十八番っていうイメージがあるけど、電光掲示板の表現とか、レトロ感が残ってるSFっていう雰囲気がめちゃくちゃいい。そんな背景を制作しているのは美峰。インタビュー記事が面白かったので、興味のある人は見てみてね。

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© ぴえろ・TooKyoGames/アクダマドライブ製作委員会

www.asahi.com

神様になった日

 30日後に死ぬカミ。
 Keyのオリジナルアニメ企画第三弾。『Summer pockets』好評発売中!Key作品ということで、制作・P.A.WORKS 脚本/音楽・麻枝准。監督は『Charlotte』に引き続き、浅井義之。
 キャラデザは『Charlotte』の関口可奈味に代わり、動画工房の作品『ひなろじ from Luck&Logic』キャラデザの仁井学が担当する(キャラ原案はKey作品でおなじみNa-Ga)。キリッとしたCharlotteのキャラと比べて全体的に可愛くなっている。
 ストーリーについて、公式で「王道ボーイミーツガールやります」と謳っており、概ね
1 不思議な少女に出会う
2 なんか世界を巻き込む
3 少女を悪用しようとする汚い大人が登場する
4 野球
5 麻雀
という感じになるらしい。ちなみに1クール予定。特に麻雀回が楽しみ。少なくとも「泣けるし笑える作品」であることは間違いない。
 ヒロインは前作に引き続き佐倉綾音。最近は特に闇属性声優として活動の幅が広がっている同氏だけど、本作のヒロインもやっぱり口の悪いキャラで安心した。対して主人公は『リトルバスターズ!』で男子高校生Bを演じたことで知られる花江夏樹。すさまじく声の圧が強い二人の掛け合いめっちゃ好き。
 特に、本作はプレスコ形式で制作されている作品のため(レコーディング自体はほぼ去年のうちに完了していたらしい)、スピード感のある掛け合いがあまりにも魅力的に仕上がっているのが特徴。麻枝准曰く「1話はプレスコ形式にしたメリットが一番発揮された回かもしれない」とのことで、まるでハイスピードコントみたいな掛け合いに。やっぱ花江夏樹佐倉綾音ってすげえな。
 背景はCharlotteに引き続きスタジオ・イースター。いつも思うけど、スタジオ・イースターの背景における「夏の空」ってなんであんなに素晴らしんだろうか。特に積乱雲の表現。山本二三が描いた夏空くらい大好き。最近の作品だと『放課後ていぼう日誌』もスタジオ・イースターが背景を担当しているので、興味のある人はぜひ見てみてね。
 そして、重要な「Key作品らしさ」といえば。そう、SEのセンス。あのSEを聞くたび「どんなチョイスやねん!」ってなる。コテコテのSEといえば、泣けるし笑える系作品『宇宙よりも遠い場所』もSEがかなりコテコテなんだけど、「ここはギャグシーンですよ』っていうメリハリのある演出って大事だよね。

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©VISUAL ARTS / Key / 「神様になった日」Project

ddnavi.com

くま クマ 熊 ベアー

 『うちのメイドがウザすぎる』ミーシャちゃんの10年後。クマ王様、リトライ!
 こう見えて、2014年より小説家になろうで連載された、くまなの氏によるライトノベルが原作。
 制作は動画工房・・・ではなく、『アサシンズプライド』『ぼくのとなりに暗黒破壊神がいます。』のEMTスクエアード。監督は『ハイスクール・フリート』のシリーズ通して監督を務めた信田ユウ。シリーズ構成はコメディ作品でおなじみ、あおしまたかし。いわゆる「ゲーム世界に転移しちゃって系」ではあるが、比較的ゆるいテイストの作品である。
 ちなみに動画工房作品で作監を長らく担当していた中野裕紀が本作のキャラクターデザインを担当していることもあり、主人公がだんだん動画工房作品のキャラに見えてくる(もちろんNEW GAMEの作監も経験済)。
 なお、内容はゆるいゲームプレイ日記。協力系マルチではなくソロゲーという設定がちょっとめずらしい。ゲームではないけど『神様に拾われた男』とテイストは似ているかもしれない。NPC=生命である、という解釈のもとロールプレイに徹しつつ、内心「このモブやたら勇気あるな」とツッコミを入れていくスタイル。とはいえ防振りのようなNPC臭さのあるモブではなく、ごく普通の人間として振る舞っているので、実質異世界転生作品。
 クマー。主人公のクマ要素と、子どもたちとの心温まるふれあいが作品の魅力。右手のクマと左手のクマのつぶらな瞳につい目が行っちゃう。主人公も常にパペットマペットのポーズしてるし。加えて「習得スキルの名前」「技の名前」「エフェクト」まで全部クマで統一されており、「主人公の見た目や名前を差し替えるネタMODを導入したRPG」みたいな世界に。でも元が大マジな世界観のおかげで、「やべえ格好してる女の子」というよりむしろ「ポケモンマスター」みたいな風貌に見えてくる。オバロのアインズ様も、見た目をクマに設定しておけばワンチャンこうなってたかもしれないのに。

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©くまなの・主婦と生活社/くまクマ熊ベアー製作委員会

 そんな、なんやかんやあってクマに扮する主人公。を、演じるのは『ゾンビランドサガ』紺野純子役でおなじみ河瀬茉希。本作の主人公は「外見の割にかなりサバサバした性格」というギャップのあるキャラなので、同氏の素に近い声と「主人公というロールを担っている事をちっとも気負ってない感じのお芝居」がすごく合っている。余談だけど、同氏がパーソナリティを務めるラジオ「河瀬茉希と赤尾ひかるの今夜もイチヤヅケ!」でのエピソードトーク、話が整理整頓されかつオチの付け方とかバッチリで、聞きやすい上に面白いのでおすすめ。

seaside-station.net
くまなの氏のマイページ -小説家になろう-

NOBLESSE -ノブレス-

 となりの吸血鬼様。
 Jeho Son原作、Kwangsu Lee作画による韓国のWeb漫画が原作。制作はProduction I.G。総監督は『黒子のバスケ』『スタミュ』『銀河英雄伝説 Die Neue These 邂逅』の多田俊介。スタミュに引き続きシリーズ構成のハラダサヤカが参加しているので、実質スタミュ
 「久しぶりに目覚めたら、子孫がなんかヤンチャしてたでござる」から始まるお話。そういう意味では『魔王学院の不適合者 〜史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う〜』に似ている。敵の親玉「アヴォス・ディルへヴィア」の正体を探る話が縦軸なのかな。吸血鬼モノの面白いところは「血がつながっている」から話を無限に広げられるところだよね。もし『となりの吸血鬼さん』が眷属を作っていたら、多少こうなっていたのかもしれない。
 あと、ちょくちょく「ほっほっほ、最近の人間は元気で何よりじゃ」「おじいちゃん、早く食べないと麺が伸びちゃうでしょ」みたいな扱いを受ける主人公。自分からコミュニケーションを取りに行くアノス様と比べ、基本的に無口でゴーイングマイウェイな主人公を見てると、だんだん小動物に見えてくる。
 それにしても作画が凄まじい。まずは0話を観てほしいんだけど、なんせproduction I.G制作なので戦闘シーンが神がかっている。作画・カメラワーク・エフェクト・etc。見どころ多すぎ。キャラたちの鬼気迫る表情もすごくて、「ギャグアニメかと思って見始めたらなんか戦闘シーンやべえ。ワンパンマンってこういう作品だったのか」的な状態に。
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半妖の夜叉姫

 3期。高張留美子原作の漫画『犬夜叉』の続編に当たるオリジナルアニメ。本作のストーリー原案には高橋留美子自身が参加している正統続編。
 右下のタイトルロゴがくっそ懐かしい。2期から変わったことといえば、「画質が良くなった」くらいしか見つからない。あと、弥勒様の声を故・辻谷耕史に代わり、保村真が引き継いでいる。
www.oricon.co.jp
 制作はサンライズ。監督の佐藤照雄、シリーズ構成の隅沢克之を始めとする主要なスタッフが続投しており、細部に至るまで犬夜叉が復活している。マジであの当時観たまんま。
 まさか10数年越しに、「がごめが乗っていた自転車の伏線」を回収する日が来ようとは。正直ここまで鮮明に思い出して「あー!乗ってたー!」ってなると思わなかった。
 あらすじ・・・前作でラスボスを倒したあと、こっちの世界に残ったかごめは巫女として修行する一方、犬夜叉は妖怪退治を続けていた。1話はプロローグというよりもエピローグになっている。展開や演出もちゃんと前作を踏襲してて、何もかも皆懐かしい。
 本題は2話からなんだけど、登場人物のエモさが半端ない。そ、草太・・・お前・・・!草太に限らず、「当時よく観ていたあのキャラクターたちが、再び物語を紡ぎ始めたことへの喜び」を噛み締めながら見ようと思う。
 OPはSixTONES。TVアニメの主題歌としては『富豪刑事』以来。これでフジテレビとテレ東は制覇。

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©高橋留美子小学館読売テレビサンライズ 2020

魔王城でおやすみ

 眠れぬ城のTOKIO系女子。いい最終回だった。
 『週刊少年サンデー』にて連載中の、熊之股鍵次による漫画が原作。制作は動画工房。監督・副監督・シリーズ構成は『多田くんは恋をしない』でタッグを組んだ、山崎みつえ・野呂純恵・中村能子のチーム。キャラデザは、山崎みつえ監督の作品『ダンベル何キロ持てる?』メインキャラクターデザインの菊池愛。音楽の橋本由香利動画工房ではすっかりおなじみ。要するにいつものメンバーが作っているのだ!
 内容をざっくり言うと「なんかよくわからないけど、姫が( ˘ω˘)スヤァしてるのを見ると元気が出る」みたいなアニメ。お姫様を救おうと頑張る勇者様、そんなことより睡眠環境の改善に尽力する姫、コラレテルダメージを負う魔王城、物語が破綻しないようにあれこれ手を尽くすゲームマスターの魔王様。果たして、魔王様はロールを全うできるのか!
 睡眠問題発生→クエスト発生→攻略→やったね!のテンポ感が凄まじく、1話から癖になる。なんか30分枠の鉄腕ダッシュを観てるみたい。特に「よくできました!」の達成感が超好きで、『ダンベル何キロ持てる?』における街尾お兄さんの褒めボイス並に癒やされる。ちなみに褒めボイスを担当するのは早見沙織。やったね!
 そしてなによりOPの中毒性がヤバい。ミュージカル風かつポップなキャラクターと華やかな色使いなので、ちょっとディズニー感があって好き。
 EDはORESAMAチップチューンなのはやっぱり『ドラゴンクエスト』から影響を受けていることの証左、なのかな。今期ダイの大冒険が放送されていることを思うと、少しエモい。

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おちこぼれフルーツタルト

 圧縮率の低いてーきゅう。東京の中心・東小金井の日常アニメ。
 原作は『ハナヤマタ』でおなじみ浜弓場双による漫画作品。『まんがタイムきららキャラット』にて連載中。制作はfeel.。実はきらら作品の元請けは初。監督は川口敬一郎で、今期『シャドウバース』『ひぐらしのなく頃に 業』の監督を兼任するヤバい人。コロナの影響で放送時期がずれ込んだこともあるけど、流石にこの仕事量は致死量では?
 しかも本作の1話は脚本・絵コンテも担当しており、同氏の苦労が忍ばれる。ちなみにシリーズ構成は『となりの吸血鬼さん』『ライフル・イズ・ビューティフル』の高橋龍也と共同。
 30分枠のアニメでありながら、まるで『てーきゅう』を彷彿とさせるくらいショートアニメ感が強い作品。お話としては、とあるタレント事務所に所属する女の子たちがアイドルグループを結成して、明日食べる飯を守るために頑張る日常アニメ。寮生活する芸能人ってことで『こみっくがーるず』を思い出す。
 でも本作は崖っぷちスタートということもあり、駆け出しの地下アイドルの下積み時代みたいな姿が描かれている。そういう意味では『ゾンビランドサガ』とか『まえせつ!』に近い雰囲気の作品かもしれない。
 話が脱線しまくるテンポ感がめっちゃすき。ハナヤマタはきららフォワードの作品だったこともあり、バランスとしてはギャグ≦エモだったけど、本作はきららキャラット(4コママンガ)なので、この当たりがかなり魅力的に。ハナヤマタのデフォルメ顔がめっちゃ好きなんだけど、本作はデフォルメ顔の出番が10倍くらいに増えている。
 そして、コロコロ変わる表情と、それをコミカルに、華やかに演出していく感じがすごく可愛い。同じくきららキャラット原作『けいおん!』の部室でダラダラしてるシーンに似た雰囲気を感じる。けいおんのシーンチェンジ演出かわいいよね。関係ないけど、マネージャー役が日笠陽子ってちょっとエモい。
 あと、キャラがめっちゃ可愛いのでつい見過ごしてしまうが、背景の描き込みがすごい。というのも、本作の背景を担当したのは『ゆるキャン△』でおなじみプロダクション・アイ。美術監督の海野よしみもゆるキャン美術監督を担当していた人なので、特に山や草木のクオリティがすごいことになっている。郊外によく見られるような「住宅地はあるけど同じくらい田畑もあり、山などの緑も結構ある。でも駅は人が多い」みたいな雰囲気がすごく伝わってくる。
 あとアニプレックス案件ということで、劇中の楽曲はハナヤマタに引き続きMONACAが担当。アイドル作品ということもあり、かなり気合が入っているみたい。すごいキャラソンアルバムが出てきそう。

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©浜弓場 双・芳文社/おちこぼれフルーツタルト製作委員会



ゴールデンカムイ

FOD独占配信

3期。制作および監督以下主要スタッフは概ね続投。話の舞台は北海道から樺太へ。もともとの見どころである「メインキャラより濃いゲストキャラのおっさんたち」「アイヌ生活様式を描く歴史もの」に加え、「当時の樺太における、日本人(倭人)、アイヌ、ロシア人の生活様式」という新要素が加わっており、より歴史モノとして面白い。「へー」って言いながら観るの楽しい。
 あと原作がそうなんだから仕方ないんだけど、おっさんホイホイネタが永遠に尽きないところが好き。



魔女の旅々

 旅モノ。いい最終回だった。
 白石定規によるライトノベルが原作。制作はC2C。『はるかなレシーブ』『ひとりぼっちの〇〇生活』『シャチバト!』に続く元請け作品で、監督は『はるかなレシーブ』の窪岡俊之。シリーズ構成は筆安一幸。筆安一幸がシリーズ構成を担当した旅モノのアニメ『少女終末旅行』はめっちゃおもろいポストアポカリプス作品なのでオススメ。キャラデザははるかなレシーブに引き続き小田武士が担当しているんだけど、あの丸い感じの目元ではなく、ちょっとキリッとしている。ギャグ顔は相変わらずかわいい。
 旅モノの作品って、その性質上メインパーティが2人かそれ以上っていう構成が多い。最近のアニメでいうと『キノの旅』『少女終末旅行』『ソマリと森の神様』はすべて2人以上。対して本作はソロ旅という点で結構特殊な作品。キノとエルメスを足して2で割ったような癖の強い主人公になっているのは、「世界のクセが強い」という事と表裏一体なんだよね。
 そんな主人公を演じるのは、原作のPVで声を当てていた本渡楓が続投。当時ド新人だった頃に演じたキャラを数年後しに続投できたことについて胸中をラジオ内で語っていたけど、なぜかこっちまで感慨深くなっちゃう。
 ストーリーについて、1話は(原作の1話ではなく)前日譚が描かれている。いろんな「魔法と、人の関わり」を主人公の視点で描く一期一会の物語。いろんな国や地域を転々とする作品だけど、描かれるのは「それぞれの国の風土や文化」というよりも「そこで生きている、とある人たちにフォーカスした話」と言う感じ。1話はさすらいの魔女、2話は一人暮らしの魔女見習い。みんな一生懸命生きてるんやな、って。
 旅モノとして面白さが加速するのは3話から。心がキュってなる。いろんな願いを持つ人と、いろいろな魔法。出会うたび、なんとも言えない気分になる主人公。結構寓話チックなストーリーが多い感じなのだろうか。
 かなり魔法のエフェクトにこだわっている。毎話派手な戦闘がある、というわけでは無く、むしろ日常の中にあるささやかな魔法がすき。2話で一番好きな魔法は「自分のシチューに入っているきのこを、目の前のシチューボールに移す魔法」。『ふらいんぐうぃっち』よりも、ふらいんぐ要素&うぃっち要素の強い作品に。
 OPは上田麗奈。「声優としてできる表現」に拘ったリリカルな歌い方には、特に強烈な個性を感じる。同氏のアルバム「Empathy」はそんな感じのアルバムなので、ゾクゾクするOPを気に入った人は是非聴いてみてね。

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魔女のラジ々~配信するのは、そう、私イレイナです!~ | インターネットラジオステーション<音泉>


トニカクカワイイ

 五等分されてない方の花嫁。サブタイトルの「FLY ME TO THE MOON」すき。
 『ハヤテのごとく!』でおなじみ畑健二郎による漫画が原作。制作はSeven Arcs Pictures。最近だと『アルテ』の元請けをしたのがここ。監督は『魔法陣グルグル』とか『宇宙戦艦ティラミス』とか『群れなせ!シートン学園』等コメディ作品でおなじみ博史池畠。同氏がシリーズ構成の兵頭一歩とタッグを組むのは『キラッとプリ☆チャン』以来。
 キャラクターデザインは『群れなせ!シートン学園』で監督と縁のある佐々木政勝で、同氏がキャラデザを務めたラブコメ作品『ぼくたちは勉強ができない』を少し思い出すような、思い出さないような感じのキャラデザになっている。
 ラブコメ作品でちゃんと提出される婚姻届を見たのは初めてかもしれない。二人の新婚生活を描くラブコメなんだけど「紆余曲折あって無事結婚できました」という前日譚がないまま勢いで結婚したため、実質ゼロスタートのお話。「初恋」と「初彼女・初彼氏」と「新婚」という3重苦ならぬ3重幸の関係性を一気に描いちゃうストーリーのため、『桜Trick』に負けないくらい甘い香りのするアニメになっている。
 そして、このアニメで鮮烈に描かれるメッセージの一つに「結婚はノリと勢い』がある。1話からタイトルを回収しまくる主人公の姿はいっそ清々しい。結婚あるあるネタがちょくちょく登場するので、既婚者からすると「わかる~』という視点で面白いし、未婚者からすると「へ~』という視点で面白い作品。そして、婚姻手続きに詳しくなっていく視聴者たち。
 ちなみに原作者が結婚してすぐ始まった連載ということもあり、ついプライベートと作中のキャラを結びつけてしまいがちだが、微塵もそんなことはない(奥さま談)。
 そんなヒロインを演じるのは鬼頭明里。快活なヒロインを演じることが多いよね。明瞭にハキハキと喋る感じがたまらん。『虚構推理』のおひいさまとか。
『私に天使が舞い降りた!』姫坂乃愛 →かわいい!
『Re:ステージ! ドリームデイズ♪』月坂紗由 →かわいい!
『地縛少年花子くん』八尋寧々 →かわいい!
『ひとりぼっちの○○生活』本庄アル →あーっ!残念!
 主人公を演じるのは『八男って、それはないでしょう!』主人公、『id:INVADED イド:インヴェイデッド』若鹿一雄、『アルテ』アンジェロ等の榎木淳弥。とにかく可愛い奥さんを前にして怒涛のリアクション祭りになっており、『からかい上手の高木さん』の西片に負けないくらいかわいい。彼が演じたキャラの中でも特に感情が爆発してる系主人公なので、からかい上手の高木さんに親しい雰囲気の作品に。


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ご注文はうさぎですか? BLOOM


 3期。制作スタジオの推移をまとめると
1期:WHITE FOX
2期:WHITE FOXキネマシトラス
OVA:production dóA、ディオメディア
3期:エンカレッジフィルムズ

と、スタジオを転々としている作品。とはいえ監督、脚本、キャラデザ、音楽等主要なスタッフはシリーズ通して続投しており、「”ごちうさ”らしさ」の根幹は変わらずに続いている作品。
 とはいえ最初のシリーズが放送されてから6年以上経過しており、時の流れを感ぜずにはいられない。
 本作の魅力はキャラ同士の掛け合いの多彩さで、「各キャラのお当番回における、ラストの幸せなシーン」みたいな盛り上がりシーンが最初から最後まで途切れずに続く展開には「見る酸素」と呼ばれるだけの魅力を感じる。このアニメを視聴した際に脳内で分泌されるセロトニンと、それによってもたらされる多幸感は何にも代えがたい魅力である。

戦翼のシグルドリーヴァ

 分隊は家族。ミリタリー系ホームドラマ。いい最終回だった。
 1話は1時間SPECIAL。「見終わったあとに1話が1時間であることに気づいた」を久しぶりに経験できて嬉しい。
 シリーズ構成・脚本は『Re:ゼロから始める異世界生活』でおなじみ長月達平。世界観設定を『ガルパン』『ストパン』『ハイフリ』『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』でおなじみ鈴木貴昭。制作はA-1 Pictures。そして監督は徳田大貴。同氏は『七つの大罪 The Seven deadly sins』のメインアニメーターとか『グランクレスト戦記』のアクション作監とかを担当した人。
 館山基地といえば南国系リゾート基地(公式)。お話としては、未知の脅威から地球を守る空戦部隊が、配属先の館山基地で過ごした日々を描く日常アニメ。ちなみに1話で殉職してた子は、前日譚にあたる小説『戦翼のシグルドリーヴァ Sakura』(著・長月達平)の主人公。興味のある人は読んでみてね。
 鈴木貴昭が参加しているということで、「女の子」「ミリタリー」「日常」を主軸にした作品。基地で楽しくワイワイ→敵が来る→やっつける、みたいな。
 また、さらに長月達平が関わったことで、ミリタリー要素とファンタジー要素が融合した(ややダークな)シナリオになっている。北欧神話をモチーフにした世界観と、海洋生物がモチーフのエネミー、ジェット戦闘機と同じ速度で飛行するレシプロ機等。全体として「ディテールの緻密さ」と「ファンタジー作品としての絵の華やかさ」そして「命の尊さ」がより印象的な作品に。実写だけど『シン・ゴジラ』くらいロマンが溢れている。
 あと、モブ含めキャラがめっちゃ活き活きしてる。特に会話のテンポ感。個人的に鈴木貴昭が脚本を担当したハイフリとかヴァイオレット・エヴァーガーデン5話のモブキャラ同士のゆるい会話がすごく好きで、その感じが本作にもあるのが嬉しい。本作の脚本は長月達平だけど。
 ねー聞いて!ヴァイオレット・エヴァーガーデンめっちゃ良かったんだけど!マジ泣いた~😂
 あと表情の描き方も良い。1話の好きなシーンは、ミヤコが南国基地を案内して回るシーン。表情や仕草の演出がすごく好き。2話では食堂のシーンが好き。概ねモブの主張が激しい。ハードなストーリーとキャラの可愛さがかなり強いコントラストになっている。
 で、おじコメ。本作では円盤の発売に先駆け、各種配信サイトにて「おじさんコメンタリー」が配信されている。主に「キャラ」「世界観」「ミリタリー」「ピラー(エネミー)デザイン」あたりの解説がメインで、アホほどディテールにこだわって作られた本作の魅力が沢山語られているので、みんなも見てね。個人的に好きな話は、2話おじコメの「OPにチラっと映ってる館山基地の滑走路が、リアル館山基地よりも(海の方に)長くなってる」っていうくだり。
 そしてOPは「バリってる」でおなじみ大張 正己が絵コンテを担当しており、めっちゃ強い(なにげにOP絵コンテを担当するのはあの『ポプテピピック』以来)。

youtu.be

3バカ。これに限らず、本作のアイキャッチ芸は非常に魅力的な絵が多くて好き。


館山基地紹介動画。鈴木貴昭は面白いおっさんだった。
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アイドリッシュセブン Second BEAT!

 2期。コロナの影響で5話以降の放送が延期を食らっていたが、今期に放送を再開した。制作はTROYCAで、監督以下スタッフは1期から続投している。
 とある男性アイドルユニットのお仕事ドラマ。他のアイドル作品と比べ、特筆すべきはライブシーンの少なさ。本作は特に群像劇としての描写に力を入れている作品であり、かつ「音楽劇の要素が少ない」という特徴を持った特殊な作品。
 1期では駆け出しから世間に認知されていくまでの過程を描いていたけれど、その過程でとにかくメンバー同士の衝突が物語の中心を飾っており、アイドル活動自体も「メンバー全員でデビュー・・・出来ない?え?できる?え、やっぱ出来ないの?」みたいな、3歩進んで2歩下がる歯がゆいシナリオになっている。それを経て、同じ目的を共有しながら徐々に前を向いてがんばる姿を見るに「青春部活モノ」みたいな趣があって好き。
 また、徐々に増えつつある仕事(これにもやっぱり紆余曲折あるんだよね)に忙殺されるうち、メンバー内ですれ違いが増えていって云々・・・の件は一方でお仕事ドラマ感が強く、一口に「アイドルを描く作品」といってもほんと色々あるんやな、って。
 1期で個人的に好きなエピソードが「陸の持病がバレた後、マネージャーが即対応策を考えてきたシーン」と、TROYCA作品『ロード・エルメロイII世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-』監督である加藤誠が絵コンテを担当した9話「大切な時間」。音楽による劇的な感情表現をあまり使わない分、関係性や感情の表現ががすごく丁寧な作品だと思う。

idolish7.com

体操ザムライ

 ユーリonアラサー。
 オリジナルアニメ。「原作:スナックマリー」となっているが、スナックマリーでググると日本中のスナックがヒットする件について。
 制作はMAPPA。前回のオリンピックイヤー案件『ユーリ!!! on ICE』に続く作品。監督はMAPPA作品の演出でおなじみ清水久敏、シリーズ構成もMAPPA作品でおなじみ村越繁。キャラデザの深川可純、総作監の崔ふみひでは『ゾンビランドサガ』でも同じ肩書で参加していたので、本作の女の子がすごく純子ちゃんっぽい。
 ストーリーとしては「もう引退する?しない?』から始まるオリンピックへの挑戦の話。「実績のある人が、最後のチャンスに向かって頑張る』というシチュって、高校の部活モノと社会人アスリートモノで結構な違いがあって、本作の主人公が抱く「もう十分頑張ったよ、俺にはもっと大切なものがあるやんか』という苦悩はその最たるものなのかも。特にユーリと違う点が、主人公が子持ちのおっさん(ゆうてまだ20代だけど)であること。そのため、より「最後の悪あがき』感が増している。辞めますん。そんな日本語は無いぞ山本。アスリートの生き様を描く硬派なお話ではあるけれど、全体的にコメディタッチで描かれた1話に仕上がっていたので、割と軽い気持ちで観やすかった。
 そして、体操のシーンは相変わらず画角とか動きとかヤバい。この辺は流石にテレビの力を感じる。「競技の繊細な動きを撮影した素材が手に入りやすい環境』だからこそこういうアニメが作れるんだよね。ちなみに作画と3DCGのハイブリッドになっている。個人的に『ユーリ!!! on ICE』競技シーンでガチのアナウンサーさんの解説が入っているのが好きだったので、本作でも競技シーン再現来ると嬉しいな。

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キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦

 天下分け目のデート・ア・ライブ
 原作は細音啓によるライトノベル小説家になろう・・・ではなく、富士見ファンタジア文庫より刊行されている。
 制作はSILVER LINK.。最近はすっかり小説家になろう原作のアニメでお馴染みのスタジオで、湊未來、大沼心両名が監督としてクレジットされている。この二人が監督(助監督)として参加した作品は『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』『魔王学院の不適合者 〜史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う〜』が記憶に新しい。シリーズ構成は下山健人。監督とのタッグは『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』『ナカノヒトゲノム』以来かな。てかタイトル長いわ!
 SF系ファンタジー。文化レベルが現代くらい+魔法+モンスターと言う世界観なので、紛争の絶えないサツバツとした世界。『魔法科高校の劣等生』と同じくらいサツバツとしている。
 と、見せかけて実はラブコメ。戦争状態の続く二国のVIPたちが、密会を重ねながら世界平和を目指すお話。ベクトルとしてはラブコメ作品『寄宿学校のジュリエット』っぽいかも。
 かといってファンタジー要素が脇に置かれているわけでもなく、物語のベースとして「剣と魔法の世界」の戦いが描かれる。戦闘シーンの華やかさを見るに「やっぱりSILVER LINK.ってすげー」ってなる。
 ヒロインを演じるのは雨宮天。『彼女、お借りします』でも思ったけど、ツンツンしてる演技めっちゃ良いよね。このすばのアクアってツンデレ・・・ツンデレ
 対して主人公を演じるのは小林裕介。最近は特に叫ぶ系知的主人公が多い印象だけど(リゼロとか)、本作の主人公は落ち着いた知性派な演技で少し珍しい。従順な戦士感もありつつ知性的な側面もあって、横顔に惚れたお姫様の気持ちもわかる。
 それにしてもSILVER LINK.のキャラデザは男女共にかわいい。本作のキャラデザを担当した佐藤香織は初キャラデザではあるんだけど、ずっとSILVER LINK.作品でアニメーターをやっていたこともあり、SILVER LINK.らしさを感じるイケメンな顔立ちに。

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無能なナナ

 奴らのヒーローアカデミア。
 『月刊少年ガンガン』にて連載中の、原作:るーすぼーい、作画:古屋庵による漫画が原作。制作は『遊☆戯☆王SEVENS』等でおなじみブリッジ。2021年に放送予定のリメイク作品『SHERMAN KING』を制作するのもこのスタジオ。
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 監督は『ログ・ホライズン』『FAIRYTALE』『ヘボット』の石平信司で、シリーズ構成はみんな大好き志茂文彦。キャラデザや美術・音楽等、FAIRYTALEのスタッフが多く参加しているみたい。ははーん、さては子供向けのヒーローモノだな!
 ストーリーとしては、絶海の孤島(サスペンスかな?)に集められた少年少女たち(サスペンスかな?)が、未知の敵と戦う使命「だけ」を与えられ(サスペンスかな?)、日々鍛錬に励む学園モノ。
 「未知の敵」は序盤では正体が伏せられており、敵の正体を暴いていくという縦軸がメイン。そういう意味ではちょっとホラーっぽい。
 特に印象的な部分として、シナリオや演出でトリックを仕掛けるのがすごく良い。1話ラストのタネ明かしセリフ部分も好きだけど、それ以外で言うと
「異能力モノを表すタイトル」→「異能系といえばバトルモノ」→「バトルモノといえば、派手な戦闘シーン」→「派手な戦闘シーンといえば、派手な能力」→「派手な能力といえば、爆炎系とか氷雪系とか」→「ほらね、やっぱりそういう感じの作品じゃん」という導線が敷かれているところとか。ここだけ見ても、神の視点がヴィラン贔屓になっている事がわかるよね。そういう意味では『DEATH NOTE』に近い雰囲気の作品かも。

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アサルトリリィ Bouquet

Amazon Prime Video 独占配信

 魔法少女(物理)。
 オリジナルアニメ。アゾンインターナショナルとacusによるメディアミックス作品で、1/12アクションドールの発売が最初。つい最近、ブシロードによる舞台版が無事千秋楽を迎えた。中の人がそのまま舞台も演じており、同じくブシロ作品『少女歌劇 レビュースタァライト』に親しい作品。
 制作は『魔法少女まどかマギカ』でおなじみシャフト。監督は『めだかボックス』『放課後のプレアデス』の佐伯昭志
 ストーリーとしては、人類を脅かす謎の敵と、それに立ち向かう女の子たちの話。世界観・コンセプトは『刀使ノ巫女』に近く、戦況は『戦翼のシグルドリーヴァ』くらい?主人公の所属する学校は実質戦士たちの駐屯地。
 百合の花を冠する作品だけあって、端々から溢れ出る「秘密の花園」感。てか2話で「聖域」って言ってるし。2話冒頭の着替えシーン、作画やばくない?実質「タイが曲がっていてよ」じゃん。主人公が目覚めちゃう。バランス的には、ゴリゴリのバトル:百合=1:1くらい百合要素の強い作品。
 戦闘シーンについて。シャフト作品なので戦闘シーン=劇団イヌカレーってなりそうだけど、本作には新房昭之監督も劇団イヌカレーもクレジットされてないので、ああいう飛び道具のないゴリゴリのアクションシーンになっている。「全身を使った体術」「クソでかい武器」「なんかすごい動きをする敵」が入り乱れるアクションは3DCGと作画アニメーションが駆使されてて、ここだけでもずっと観てられる。話数が進むごとに敵味方ともにビックリドッキリメカがどんどん登場するので、それ目当てで観ようとおもう。
 日常パートも好き。ワード数の多い会話劇に定評のあるシャフトらしく、立ち話のシーンがいつも面白い。本作の1話はキャラではなく「足」が喋っている。表情豊かな足の表現、いいよね。
 キャラの造形でいうと、キャラのボディライン、結構独特だよね。足が長くて太い、腕が細いバランスはやっぱりアクションドールというルーツを持つ作品だからなのかな。武器を構えたときの全体的なバランスがめっちゃ良い。

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憂国のモリアーティ

 霧のロンドンをめぐるミステリー製造機。日本が誇るフリー素材・明治の文豪に比肩するフリー素材こと、シャーロック・ホームズ・・・の敵役・モリアーティ教授を主人公とする作品。『ジャンプスクエア』にて連載中の、竹内良輔(構成)、三好輝(漫画)による漫画が原作。
 制作はproduction IG。監督は『風が強く吹いている』の野村和也、シリーズ構成は雑破業、岸本卓の共同。岸本卓は『91Days』『啄木鳥亭探偵處』『富豪刑事』等の作品に関わってる人だからわかるけど、雑破業は『ブレンドS』『ぼくたちは勉強ができない』『神田川JET GIRLS』『ネコぱら』等、女の子が可愛い系アニメのイメージなのでちょっと以外。ちなみに1話の脚本は雑破業だけど、まさかの登場人物の女子率ほぼ0%。
 主人公はモリアーティと、モリアーティを慕う兄弟のモリアーティ、そして少し雰囲気の違うモリアーティの3人(モリアーティとモリアーティは1話で、モリアーティは2話でちゃんと登場する)。体力系のモリアーティ、頭脳系のモリアーティ、工作員のモリアーティと、それぞれ役割を担っていて、いろんな事件を解決に導いて・・・いかない。
 主人公のモリアーティ役は、『歌舞伎町シャーロック』でごっくんを演じていた斉藤壮馬。彼の声ってほんとスーツ似合う声だよね。「悪意を潜めた感じの気品」がめっちゃ似合っている。
 簡単に言うとダークヒーローモノ。原作のモリアーティがそうだったように、本作のモリアーティもまたゴリゴリの悪党。本来ならバッドエンドとして語られるはずの物語(例:悪事を働く貴族をブチ殺す)を「明るい未来を感じさせる余韻」で締めているあたり、かなりシナリオの強度が高いな、って。主人公、絶対に改心しないよねこれ。
 全体的に引き算の演出なので、凄惨な事件の割に後味があんまり悪くない。それこそ、歌舞伎町シャーロックでも似たような猟奇殺人事件があったけど、両者の描き方を比べるとわかりやすくて、こっちのほうがグロ苦手でも見られる。もっとこう、理詰めの推理パートがメインになっていて、歌舞伎町シャーロックのワトソン君みたいな「引っ掻き回す役」がいない分スマートに事件が解決(解決?)する感じがある。
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ドラゴンクエスト ダイの大冒険

 監修:堀井雄二、原作:三条陸、作画:稲田浩司による日本の漫画が原作。初放送は1991年なので、約30年ぶりのリメイクとなる。
 冒頭の東映アニメーションのロゴでちょっとテンション上がる。というわけで制作はみんな大好き東映アニメーション。監督は鳥山明繋がり?で『ドラゴンボール超』の演出、また劇場版では助監督を務めた唐澤和也。キャラデザは『魔法つかいプリキュア』の宮本絵美子。
 ストーリーめっちゃわかりやすいな。王道の冒険活劇。演出もわかりやすくて、なんとなく見てても話が入ってくる感じ。特に敵役が活き活きしてて、「あ、こいつ悪いやつだ」って一発で分る演出が何気にすごいし、説明セリフが多い割に自然。展開はかなり早いけど、3話時点であんまり置いてけぼり感は感じなかった。なぜだろう。
 主人公を演じるのは種崎敦美。女性キャラを演じることが多い彼女だが、かねてより少年キャラやりてえなぁ(意訳)と語ってたので、念願かなって少年役とのこと。
 主要な登場人物を作画アニメーションで、多種多様なモンスターを3DCGアニメーションで描いている。めっちゃたくさん出てくるやん。作画アニメーションと3DCGを両方駆使しまくってる2話のキラーマシン戦めっちゃすごい。

原作がジャンプ+で公開中
shonenjumpplus.com


ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかlll

 3期。1話からクライマックス。あいつまたヒロイン助けてるぜ。クールごとに監督の変わる本作にしては珍しく、2期の監督である橘秀樹が続投。シリーズ構成は全シリーズ白根秀樹が続投しているので、実質2期の2クール目。
 それにしても、あいつめちゃくちゃやな。世界のルールのグレーゾーンことヘスティア・ファミリアの綱渡りは続く。

魔法科高校の劣等生 来訪者編

 2期。ストーリーは1期の続き。劇場版はオリジナルストーリーなので1期を見てから2期を見てね。
 制作スタッフは1期のマッドハウスに変わり、劇場版からエイトビットが担当している。
 監督は1期の小野学から、劇場版監督の吉田りさこへ。本作のメカニックデザイン全般を担当していたジミー・ストーンが2期の副監督に。ちなみに同氏は先のアニメ『グランベルム』のロボデザイン・総作監とかやってた人。原作イラストを担当している石田可奈が、のままアニメーションキャラクターデザインを担当している本作のキャラは独特の味わいがあって好き。1期に続き、総作監も担当しているので、スタジオが変わったことによる絵柄の変化はあまりないところがすごい。
 真面目な顔して厨二設定を披露してくれる貴重なアニメ。1期ではギャグ帳の演出がかなり少なかったけど、特にラ並感(「ラブコメの波動を感じる」の意)の強い話数である21話の絵コンテ・演出を担当していたのが他でもない2期監督・吉田りさこなので、1期と比べてマイルドな作風になってる、のかな?
 謎のBGMは2期でも健在。なんでそんなにBGMの主張が強いのか。

いわかける! - Sport Climbing Girls -

 競技版ツイスターゲーム。見ているうちに自分もやりたくなるアウトドアシリーズ。
 Cygamesのウェブコミック配信サイト『サイコミ』において連載された、石坂リューダイによる漫画が原作。
 制作はBLADE。『CHEATING CRAFT』『銀の墓守り』と、中国作品の元請け制作をしていた会社で、日本の作品は初元請けかな。監督はアミノテツロ。来歴をググってみたけど、私が生まれる前からアニメの監督をやってる人らしい。すげえな。『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』とか観てたなー。シリーズ構成は、スポ根ものでおなじみ待田堂子
 キャラデザは渡邊義弘。『そらのおとしもの』『僕は友達が少ない』『新妹魔王の契約者』等、エロいキャラデザに定評のある人。同じくらいタンクトップ率の高い『ダンベル何キロ持てる?』と比べてなんかエロい。
 お話としては、スポーツクライミング競技を始めた女の子たちの部活モノ。そして1話からクライマックス。主人公たちの動機づけの展開や演出がすごく懐かしい「ザ・スポ根!」って感じで好き。1話から既にメンタル(あとフィジカル)が仕上がっているので、最初からずっと熱い。
 その熱い主人公を演じるのは上坂すみれ。同氏の演じるキャラって『恋する小惑星』のモンロー先輩みたいなおっとり系が多いイメージで、ボーイッシュなキャラやるのってかなり珍しくない?
 脚本つながりで、待田堂子がシリーズ構成として関わったスポ根作品『はるかなレシーブ』と同じくらい肌色率の高い作品だけれど、女子がみんないい感じにムキムキ。いい感じの三角筋僧帽筋、背筋が見れて楽しい。スポーツの性質上、わりと背中や肩の出番が多いので、絵面がかなりフェティッシュな作品に。ツイスターゲームかな?って思ったら、実際の競技もそういう性質があるんだね。

衝撃を受けたのが、実際のスポーツクライミング。信じられない速度で登っていく選手マジでやべえ
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禍つヴァールハイト -ZUERST-

 か・・・う・・・禍つヴァールハイト。帝国とレジスタンスによる戦役。
 原作は『ラブライブ! スクールアイドルフェスティバル ALL STARS』でおなじみKLabによるスマホゲームアプリで、制作は横浜アニメーションラボ。同スタジオの作品『Lapis Re:LiGHTs』もまたKLabのスマホゲーム原作なので、2作続けてKLab作品の元請けを担当している。監督は『はたらく魔王様!』『十二大戦』の細田直人で、同氏がシリーズ構成も兼任している(脚本は百瀬祐一郎と共同)。
 スマホゲーム原作アニメといえば「キャラが死なない」「シリアスはあっても人死には避ける」「グロい表現は使わない」みたいな不文律があるイメージなんだけど、本作はそのラインに縛られないタイプの作品。実質戦争モノなので、普通に人が死ぬし捕虜を捕まえたら拷問するし、クソみたいな上官とか出てくるし。剣と魔法の世界、ではなく「重火器と魔法の世界」と言う意味では『幼女戦記』『Fairy gone』のような、暗雲漂う硬派な作品に仕上がっている。
 序盤で印象的なのが、主人公がただの下っ端なので戦いの全容にたどり着けず、ただの尖兵であるところ。「なんで戦っているのか」「誰と戦っているのか」を主人公が知る物語、というのが縦軸なのかな。
 ラピスリライツもそうだけど、背景のクオリティがすごい。欧州の近代的な町並みというよりも、もっと東欧ぽいかも。特に好きなのが「火災によって全焼したレンガ造りの倉庫と、壁面についたすすの後」。本作の背景は『ピアノの森』の背景を担当していた鹿児島ラメカヒリムというスタジオが美術設定含め全面的に担当しているのだけれど、まだ実績の少ない若い会社みたい。それでいて、このクオリティ・・・気になる。
 そして音楽。緊迫感のあるシーンがずっと続く本作だけど、緩急のある音楽のおかげで最後まで疲れずに観られるまである。やっぱり横山克の音楽は好き。

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©禍つ製作委員会

www.magatsu-wahrheit.com

100万の命の上に俺は立っている

 パンピー版『ノーゲーム・ノーライフ』。
 『別冊少年マガジン』にて連載中の、山川直輝原作、奈央晃徳作画による漫画が原作。
 制作は『うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。』が初元請けのMAHO FILM。監督は『アンゴルモア元寇合戦記』の助監督である羽原久美子。シリーズ構成とメインキャラクターデザインは「うちの娘の為ならば~』に引き続き、吉岡たかを・舛舘俊秀が担当している。他にも色彩設計の渡辺亜紀、美術監督の柴田聡はMAHO FILMと縁のある作品『異世界はスマートフォンとともに』からの付き合いだったりする。
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 内容は、デスゲーム(PvE)に巻き込まれちゃう高校生の話。先のアニメ『ダーウィンズゲーム』のような、現実世界を拡張するタイプのゲーム(AR)ではなく、『ナカノヒトゲノム』みたいな、異世界に飛ばされちゃう系(VR)のファンタジー作品。テンプレの展開ではあるけれど、「転送された人同士で力を合わせてがんばる」という性質なので、よりロールプレイ感よりもゲームプレイ感が強い。世界のシステムもゲーム準拠になっており、「NPCのAI」「エネミーのAI」「レベリングの仕組み」「ジョブの能力」を分析して攻略法を見つけていく感じは『ノーゲーム・ノーライフ』に近いかも。
 ボッチ系主人公らしく「君に死なれると困るから、そこでじっとしてて。俺が倒すから」的なムーブをしていくところがリアル。そういうプレイングするやついるよね。そこからちょっとずつ心をひらいていく感じが少年漫画っぽくて好き。
 あと、2話の現実パートになって急にキョドり始める感じがなんか好き。ゲーム世界の中だけ何故か気持ちが大きくなっちゃうんだよね、わかる。

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まえせつ!

 東京吉本の進研ゼミ。SHOW BY MANZAI !!
 女の子たちの日常アニメ作品でおなじみStudio五組によるオリジナルアニメ。監督は『ハイスクール・フリート』監督の信田ユウ。ちなみに同氏は今期『くま クマ 熊 ベアー』と監督を掛け持ち(本来であれば本作は7月クールの予定だったため)。
 シリーズ構成はおなじみ待田堂子。硬軟幅広い脚本を書く人だけど、本作は『SHOW BY ROCK!!』とか『はるかなレシーブ』みたいな、青春モノに属する。キャラ原案を『らき☆すた』でおなじみ美水かがみが担当しているため、キャラの雰囲気はめっちゃゆるい。
 説明しよう!製作委員会名の「ファームクラス」とは・・・
www.yoshimoto.co.jp
吉本興業保有するライブホール「ヨシモト∞ホール」にて、所属する若手芸人を実力や人気でクラス分けするシステムがある。その中でも特に下位のクラスのこと。要は駆け出し。
 本作では東京よしもとに所属したばかりの女の子が人気漫才師を目指して頑張るお話。基本的に吉本興業の芸人さん基準で描かれる成長物語なので、よく彼らの苦労話をTVの深夜番組とかで聞いていたリスナー的には「そういう話聞いたことあるー」みたいな親近感を覚えるストーリーになっている。ちなみに、本人役で若手芸人が出演していたりするので、チケット代の下りとか妙にリアリティがある。
 ライブシーン(ライブシーン?)は2話で。ライブパートに専門のアニメーターを立てており、あの独特な間のとり方をする喋り方とアニメーションのシンクロがすごい。やっぱりプレスコ形式なんだろうか。客の笑いとか妙な静けさがリアル。あくまで「漫才」テーマを絞ったライブ。
 あと、なにげに音楽が神前暁MONACA)なので、OPとかすごく『じょしらく』感があって華やか。基本的にファミレスで「あーでもないこーでもない」って言い合ってるだけなところも、じょしらくに似た香りがする。



ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-

 東京のボボボーボ・ボーボボ
 キングレコードによる、男性声優を中心としたメディアミックス作品。制作はA-1 Pictures。音楽劇の金字塔『神姫絶唱シンフォギア』で監督を務めた小野勝巳が、本作の監督。
 ヒプノシスマイク=安全装置のない、強力な拳銃のようなもの。「世紀末を生きる荒くれ者達のバトルモノ」と言う意味では、かなりマッチョ系の作品である。本作の冒頭を要約すると「20XX年、世界はヒプノシスマイクの炎に包まれた!」。
 ラップバトルというもの自体「一番かました方の勝ち」みたいなカルチャーなので、本作もそれを踏襲し「マイクパフォーマンスが強い方の勝ち」というスタイルに。よくわかんないけど強い!
 各ディヴィジョンごとに異なる特色の楽曲が展開されているため、異能力バトルモノとしては『大乱闘スマッシュブラザーズ』みたいなバランスに仕上がっている。控えめに言ってカオス。
 既に10億回くらい言われていると思うので今更感があるけれど、楽曲のレベルがすげえ高い。キャラソンに属する楽曲の中では圧倒的に(ボーカル以外の)楽曲が前面に出ているのが印象的で、リズムもゴリゴリにフロウしている曲ばかりで驚いた。歌うの超難しいと思うんだけど、みんな歌うますぎない?
 そしてR・O・Nの手掛けるBGMが非常に個性的。作品のテーマに沿ったヒップホップ・ミュージックが中心で、聴いてるだけで十分楽しい。OSTの発売が楽しみ。
 それにしても、ラップバトルってアニメで表現するの難しいよね。まず、歌詞のテロップがないと言葉が伝わらない、という問題。次に、画面下に白文字テロップを出しただけだとラップバトルの熱量が表現できない、という問題。いっそのことゲーミング創英角ポップ体アニメーションしちゃえばいいじゃない?とか思ってたけど、本作はどうやらこれを採用したようだ。久しぶりに「文字を見るアニメ」を見た気がする。

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キングスレイド 意志を継ぐものたち

 ハイファンタジー冒険活劇。☓キング・スレイド ◯キングス・レイド
 制作はOLM。監督は『うたの☆プリンスさまっ♪』『ダメプリ』の星野真。シリーズ構成は、ダメプリの脚本、はめフラでシリーズ構成を担当した清水恵が担当している。音響監督の濱野高年ダメプリアイマスSideM、アイナナ、あんスタ、number24、A3!とかで音監をやってる人なので、比較的男性キャストの多い作品なのかな。
 ストーリーは王道ファンタジー作品を踏襲した感じで、それこそテイルズシリーズを思い出す。なお、個人的に思い入れのある作品は『テイルズオブファンタジア』です。平和を謳歌している人間と、虐げられている亜人の対立構造がストーリーの軸になっている感じとか、熱い展開の予感しかしない。
 原作のゲームがバトル系なので、全体的に戦闘シーン多め。OLM制作ということで子供向けのファンタジー作品かと思いきや、結構ハードな内容だったりする。テイルズシリーズが好きな人は好きそう。剣やハンマーでブチ殺し、弓矢で影から急所を狙う連携とか見てると『ゴブリンスレイヤー』くらい敵モンスが頑張っている。
 アクションシーンの熱量がすごく高い。ちょっとサンライズっぽい作画もそうだし、「金属がぶつかったときの衝撃音」とかSE全般もすごく凝ってる。個人的に「影からこっちに飛んできた、放物線を描きながらきりもみ回転してる矢の作画」が好き。

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秘密結社 鷹の爪 ~ゴールデン・スペル~

 鷹の爪団withコロナ。
 数あるアニメの中でも、最速でコロナをネタにしたアニメ。よく考えると、「コロナの影響で大人数のアフレコできないじゃん」に対する答えがこの「全部一人でやる」やもしれない(適当)。
 ところで、AdobeFLASHで制作されていたことで有名な本作だけど、今後は「FLASH風」という新しいジャンルになってしまうのだろうか。



神達に拾われた男

 主人公が不憫で泣ける。仕事辞めた元ブラック企業社員のスローライフ系ゲームプレイ実況。
 小説投稿サイト「小説家になろう」にて2014年1月18日より連載を開始した、Royによるライトノベルが原作。
 制作はMAHO FILM。『うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。』に続く元請け作品で、今期『100万の命の上に俺は立っている』の元請けも担当している。
 「あれ、この神様どっかで見たな」って思った人〜。というのも、本作の監督は『異世界はスマートフォンとともに』『うちの娘のためならば~』の柳瀬雄之なので、あの神様は多分あの神様。特に1話は絵コンテ・演出・第一原画・作監を監督一人でこなしており、ザ・柳瀬雄之という挿話に。すごい。ちなみにシリーズ構成は筆安一幸。
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 お話としては「前世では碌な人生じゃなかったので、せめてセカンドライフくらいはのびのび楽しんできてね」みたいな話。特にスローライフ系ゲームのキャラクリ~チュートリアルをモチーフにした序盤の展開を見るに、「ゲームみたいな世界に転生しちゃった主人公の受難」よりも「異世界に転生!みたいな感覚を味わえるVRゲームをまったり楽しむ主人公のリハビリ」感がつよい。世間から断絶した生活を送っていた主人公が、徐々に人との関わりを持っていく中で社会復帰を目指す。いっそそのまま幸せになってほしい。
 2話以降は特に「内気な主人公が、みんなに認めてもらうことで自己肯定感を高めていくお話」がメイン。いっそそのまま幸せになってほしい。「主人公君すごいよ~!」「え?そうかな・・・えへへ。」みたいな下り、主人公が幸せそうでなにより。

作者Roy氏のマイページ -小説家になろう-

ぐらぶるっ!

 『グランブルーファンタジー』のショートアニメ。アニメシリーズとストーリー上の接点はないので、まだグラブルのアニメシリーズを見てない人はコレ観るといいよ!内容は本編と大体一緒だから!
granbluefantasy.jp

最後に

 新作1話全部視聴はおすすめしない。例えば、新作をあらかた観るという行為には「その瞬間のトレンドを把握するためアンテナを張る』という意味があるけれど、ぶっちゃけトレンドとは場外乱闘みたいなもので、アニメだけを見ているうちは爆心地にたどり着けないことのほうが多い。それよりも公式ハッシュタグを漁るほうがよっぽど効率よくトレンドを追うことが可能なので、この点においてわざわざアニメ本編を観るメリットは結構薄いと思っている。アニメって割と、消費する時間に対して得られる情報が少ないメディアだよね。
 「うるせー!楽しいから観るんじゃー!」にしても、毎週毎週30も40もアニメに触れては、その都度30回笑って40回泣いている人がいたとするなら、それはただの「情緒不安定な人」である。30喜/週も、40憂/週も、実は結構つらいのだ。そういう意味でも、新作1話全部視聴はおすすめしない。

 そして、製作者様へ感謝をば。今期もまたとても面白い作品を作っていただきありがとうございます。コロナ禍の影響で制作環境が変わる中、アフレコ現場は特に大きな影響を受けていると伝え聞いてます。
 例えば『魔王学院の不適合者 〜史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~』は7話からコロナの影響で収録方法が変わったそうですが、主人公役である鈴木達央さんが特番で「それまでメインキャスト全員で一気に収録をしていたのが、コロナ後は3人収録→3人収録→・・・になったので、声優の方はまだいいんだけど音響スタッフは通常より遥かに大きな労力が必要になっている」っていう話を話されていたのが印象的でした。
 感染対策で通常の何倍も手間を掛けないとアフレコが行えない状況なのに、今これだけの作品がさも当たり前のように放送を開始しているという事に驚きを隠せません。裏で頑張ってるスタッフさん達はマジで報われてほしい(主に収入の面)ので、いちファンとして、微力ながらも陰ながら応援させていただきます。

 ではでは。